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温暖化いろいろ(終了したブログのアーカイブ)

主にデータのバックアップ用に使います。元ブログは http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/ でしたが終了しています。

「気温上昇幅の目標に慎重 温暖化対策で経産省」in共同通信

8月1日付けの共同通信ニュースより、
気温上昇幅の目標に慎重 温暖化対策で経産省という記事がありました。

「経済産業省は、今後の地球温暖化対策では平均気温の上昇幅を2度以下に抑えるべきだ、とする欧州連合(EU)の長期目標について「一部の先進国が2度ありきの議論を進めるべきではない」と、日本として慎重な姿勢で望むべきだとする文書をまとめ、1日の産業構造審議会に報告した。」



「京都議定書に定めのない2013年以降の「ポスト京都」の国際交渉に向けて、国内の議論をリードする狙い。今年5月には環境省の中央環境審議会が、EUに歩調を合わせて「気温上昇を2度に抑えるべきだ」とする報告書*1をまとめており、両省の意見の差が鮮明になった。」


*1 中環審第二次中間報告:「気候変動問題に関する今後の国際的な対応について(長期目標をめぐって)」[PDF(651KB)]
http://www.env.go.jp/press/file_view.php3?serial=6749&hou_id=5988

「「長期目標を巡る論点」と題された文書は、気温上昇幅を一律に定めるのでなく、省エネ技術の途上国への普及や二酸化炭素の回収隔離技術の開発、燃料電池自動車の普及などにより、長期的に世界全体の排出を半減させることを目指すとの内容。」

「技術革新と対策の費用対効果を重視しているのが特徴で、議定書を拒否して独自路線を進める米国寄りの立場といえる。」



 とのことです。が、何かロジックになっていないと言わざるを得ません。おそらくは記事の元になった経済産業省の説明自身が支離滅裂なのでしょう。
 これまでも温暖化対策としては、予防原則に基づいて早期対策を行うという方針と、経済成長をできるだけ多く行うと共に技術開発を行って後にお金を進んだ技術の導入に投資する、という方針の、大きくわけて二つの考え方に分けることができます。
前者がEUの考え方であり、後者が米国流の経済学者の考え方です。

 経済産業省が米国流の考え方を打ち出すこと自体をここで批判しようとしているわけではありません、ところが
「技術革新と対策の費用対効果を重視している」のだとすると、(いわゆるバックストップ技術に対して)いつから投資を行うフェーズに入るのか、ということこそが国際交渉上の重要な政策決定事項となります。

 その時期を決めなければ、対策が遅れるという意味で何も対策を講じなかった場合と同じとなる危険性があるわけです。
 そして、いつからフェーズを切り替えるか、を決めるためには、長期的な許容できる気温上昇目標が決まっていなければなりません。

 先日の「アジア太平洋パートナーシップ協定」のプロセスがすでに実証しているように、技術研究開発と途上国支援に関する合意文書を作るのは非常に簡単で、それだけならポスト京都で難しい国際交渉は不必要です。

 ですから、経済産業省が主張しているように、まさに米国の経済学者流のコースを取る場合にこそ必要なのが、究極の気温上昇限度をまず決め、それを実現するためには最悪いつから全力で投資を行うフェーズに移行するかについての時期の合意を取ることなのです。
 次期国際交渉の主要な論点は、究極の気温上昇限度はどこになるか、であリ、この論議を避けた次期交渉はありえません。
もしもEU流の予防原則を少し延長して、単に京都議定書プラスを一歩一歩交渉していこうとするのであれば、究極の温度上昇幅の討議が最優先というのには疑問も出てくる可能性もありますが。

 そういう意味では経済産業省側の審議会の論調は単なる問題の先送りであり、重要な国際交渉に日本政府の方針を決めないまま臨もうとする無責任な態度ということになります。

後日記:
 上記の環境省審議会の中間報告の英語版もまた9/1に作られています。
http://www.env.go.jp/en/topic/cc/050901.pdf
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